君は弔いの言葉を述べる

一日に二回日記を書くとかなにごとなんでしょうか。
えーと、いろいろと見づらくなっていたのでlinkページのみ先に少しいじりました。ううう確認は基本IEでしかやらないけれど普段のネットはFireFoxなので改装を行うといろんな箇所に違和感を感じます。なんでそんなに隙間が開いてしまうんだ・・・！！
本改装（というかただ単なる整理）は31日にバイトから帰ってきたらやります。いつだったかもっとポップにするとか言いましたが画像とデザイン（と言えるのかどうかは謎ですが）はこのまま引き継ぎます。

あと隙間と言えば拍手の「一言メッセージをどうぞ」とフォームの間が気に入らない。しかし修正できない。というか拍手ボタンはそれらの下の方が使いやすいんじゃないかと思わないでもないんだけどなぁ。


以下、妹に「書けよ」と言われて考えた次富。
なぜかとても薄暗いです。あと次屋が偽物すぎてどうしようもない・・・ｗ

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君は弔いの言葉を述べる


　確かに自分の部屋へ戻る道を歩いていたはずなのだが、気がついたら正反対の位置にいた。どうも自分の部屋に至る道が変更になったらしいな、と思ってまた別の方向に歩きだそうと思って振り向いたら、少し先の視界に見慣れた後ろ姿があった。ゆらり、と揺れた背中の向こうに見える小さな塚を見るにどうやらなにかの墓を造っていたらしい。孫兵でもないのに珍しい、と思う。あたりかまわずに彼の愛する生物の墓を造る孫兵に対していつも邪魔になるとこに作るんじゃねぇ！と怒鳴っているのはまさしく今墓の前でしゃがんでいる彼、作兵衛なのだけれど。
　ゆらり、また背中が揺れた。その墓になにを思っているのだろう。普段から気丈な顔をして笑っているか怒鳴っているかしている作兵衛の、悲しそうな顔があまり想像できない。想像しようとしたら心臓の隅っこの方がきゅっと絞られる気がして思考を止めた。作兵衛には笑顔やら怒鳴り顔やら、つまりくるくる変わる表情が似合う。悲しそうな顔はあんまりしてほしくないな、と思ってその背中を見ていた。動かないその背中の向こう側にある表情はやっぱりうかがい知れない。
　しばらくたって作兵衛は一息ついて立ち上がり、くるりとこちらを向いた。―目があった。

「あ」

　別に見てたって問題のある場面でもなんでもないのだが、なんとなく覗いていたみたいで気まずい。三之助、いたのかと呟いた彼も同じように感じたのだろう、「猫が死んでてさ」と言った。

「猫？」
「そう、うちのガキ共がかわいそうだつーから埋めてやったんだ」

　今日食満先輩いねーし、ガキのお守り大変だった、そう言った作兵衛は、その突き放すような言葉づかいとは裏腹に少しだけさみしそうに笑って、笑って、それが先ほど想像したときよりもきりきりと心臓を絞り上げる気がした。答える言葉をうまく見つけられなくてそっか、とだけ呟いた。どんな気持ちで見ず知らずの猫を埋葬したのだろうか。見かけや言葉遣いによらずひどく優しい彼は、どんな気持ちで、どんな顔でその気持ちを見たのだろう。―いつか自分も彼に、そんな顔をさせてしまう日が来るのだろう、彼の手で埋葬される日が来るのだろうとそんな予感がしたけれど、今はそんなことに気づかないふりをしていたいからその笑顔から目をそらす。

「―それより三之助、お前どーしてこんなとこにいるんだよ？」
「部屋に帰ろうと思って」

　そういうと一瞬虚を突かれたような顔をした作兵衛は、「ばっか、お前長屋は反対方向だ」と先ほどとは違うはじけるような笑顔で笑った。―ほら、その顔のほうがよく似合う。
　全くこれだから、と言って猫を埋葬するために少し汚れた手でこちらの右手首を掴んだ作兵衛はまだ笑っていて、あぁこの笑顔ならずっと見ていたいのに、と思った。たとえそれが、こちらを埋葬する時であっても、あんなふうにさみしい顔はどうかしないでほしいと、きっと無理であろうことを願ってしまうのだ。