Sweet*Time

（ハマイズ）

キスしていい、と浜田が聞いてくるからしかたないなぁ、と許してあげた。泉のそういう優しいところが好きだよ、って耳元で囁くからばーか、くすぐってぇんだよ。と怒ってみた。くすぐったいのは耳元より心の中だ。ホントいうと嬉しいんだけど照れくさくてそんな恥ずかしいことしか言えない浜田に俺の唇をあげない、と言ったら本当に、本当に困ったような声で浜田がこちらの名前を呼ぶ。この瞬間が好きだ、といったら浜田はどんな顔をするのだろう。

そんな浜田が好きだよと言ったらどんな顔をするのだろうか。

＊
甘えんぼな浜田が最強に可愛いと思います。

優しい恋の歌 4

（ハマイズ）
04 言葉では伝えきれないから

目を合わせて、にっこり笑って、

言葉ではどうしたって伝えきれない、好きだとか名前を呼ぶとかそれだけじゃ伝わらないくらい、好きだとか名前を呼ぶとかそれだけの言葉の器じゃ溢れてしまいそうなくらいの愛しいっていう気持ちが存在していると思う。
言葉はいつだって完全に不完全だ。
「泉？」
ため息を唐突につくとそれだけで心配そうにこちらを見てくる、そんな顔に伝えてあげたい言葉だってぐるぐる渦巻くけど、結局いつもどおり「んー・・・なんでもない」と生返事。そか、ならいいんだと、子ども扱いするようにいいこいいこしてくる浜田と目が合う。

好きなんだよって伝えるのは簡単だ。
だけど、すごくすごく難しい、って思うんだよ。
たぶん、君のことが好きだから。


＊
不完全燃焼。言葉は難しい。

優しい恋の歌 1

（ハマイズ）
01 これが夢じゃなければいい

右手と左手をつないでぎゅっと。
横顔を伺おうとしたら同じように思ったらしい泉と目が合って何となくお互いにくすり、と笑った。泉は冷たいと思われがちだけどホントは優しくて泣き虫。俺と対等になろうと努力して（泉にとって一年の差は、大きいのかもしれない）いつも背伸びばかり。そんなことしなくてもいいよ、なんていえずにいるのは何でだろう。これ以上泉に先こされたら困るんだけどなぁ。
泉の右手に俺の右手を重ねる。
野球をしている泉の手は少しだけ無骨で温かい。

夢じゃなければいいのに。


＊
浜田が乙女だ・・・！

友達以上恋人未満で10のお題 6

（ハマ→←イズ　＋水谷）
６．知られたくないのかもしれない

「何で言わないの」
ととうとつに上から声が降ってくる。人気の無い校舎の隅の階段の踊り場。上からかんかん、と水谷が降りてきた。後輩になる予定だった彼はなんでだかウマが合い、なんとなくおもしろい。泉に言わせると「へたれ同士だからだろ」なんて、まぁ確かに泉にやられた姿は似てなくもない、だろう。
「言わないのって、なにを」
階段三段分背が高い彼は泉にだよ。とだけ言った。
その言葉を瞬時に理解して仕方なくへにょりと笑った。その笑みをどう取ったのか水谷は「だって、あいつ」と言葉を続けようとしたから知ってる、と笑った。だったらどうしてとなお聞いてくれる彼に知られたくない、だけかもという。

変わることには勇気が必要なんだ。


＊
水谷君難しすぎる。

友達以上恋人未満で10のお題 １

（ハマ→←イズ　＋田島）
１．居心地がよくて悪いこの関係

「泉はさぁ、」
青い空はいつでも優しい。教室のちっちゃい窓からさわさわ、りと風が入ってきて少しだけ伸びた髪の毛を揺らした。今日も野球日和だな、と笑った田島はとうとつに、とうとつに話題を変えてきた。
「浜田に好きって言わないのか」
・・・野生児の勘って奴か。それとも俺がそんなにわかりやすいのか。つい最近栄口にも言われた、こと。ためいき。青い空に高く高く舞い上がって一緒にこの好きも消えちゃえばいいのに、なんて自虐的に笑ってみる。田島は何も言わずただ、こちらの答えを待っているようで。
「―・・・好きって言わなきゃいけないのかよ」
目をそらす。田島の目はいつになく真剣。だってお前らわかりやすすぎるのに―・・・と紡いだ言葉をさえぎるように浜田の声が「泉！」と俺を呼んだ。いつもなら悪態をついていかないところだけど今は、

壊すには今更過ぎたんだよ。
（壊すことが出来ればいいのにって何度願ったかわからない。）


＊
すれ違いって素敵だと思います。じつは鋭くて思いやり深いけど直情径行な田島様が居たら素敵だと思います。どんなだ自分・・・！！他のキャラも練習したいんですけどね。今年の目標です。今まで書いてこなかったキャラを書く、っての。次は水谷かなぁ・・・。

花と君 *花と君 4*

（ハマイズ）
04　祝福の花

君がくれた幸せ。

ぎゅって抱きしめた。泉は身じろぎもせずにされるがまま。抱きすくめたから顔は見えないけどきっと、呆れた顔してるんだろうな。と思う。そうゆう泉も好きだからいいんだけど。
泉といれて幸せだよと、呟くと小さな声でよかった、と返ってきた。
「はまだ、」
らいねんもいっしょにいたいね。と呟かれたからもう一度ぎゅっと抱きしめた。

君がくれた幸せの花、忘れないで捨てないでこれからもずっと。


＊
そんなわけで花と君、終了です。祝福の花じゃないなぁ・・・あんまり。

美作さんメェルで言い忘れました？バトンちゃんと送ります。

花と君 *花と君 2*

（ハマイズ）
02　可憐に咲いた花

なんでこんなにかわいいんでしょう！

なんていったら殴られること必須。だから言わない。かわりにお日様の匂いのする黒い髪の毛に鼻を近づけて匂いをかぐように後ろから思いっきり抱きしめた。うっぜぇよ、ともいわず泉は呆れたようにため息をついて「とうとう人間じゃなくなったのかよ」と笑った。
泉の側に居られるならそれでもいいよ、と思ったけど言うと一生人間扱いをしてもらえなさそうなのでやめる。普段は低い位置にある泉の肩に頭を乗っけてふっと目が合う。ばかはまだ、と泉の口が動くけど気にしない。

泉が可愛いのが悪いんです。
ぽつり、と咲いた小さな可憐な花が俺を狂わしていくのです。


＊
浜田視点が難しく感じるのは彼がへたれだけどかっこいいから、だと思いました。