水溜りにダイブ！ ぶ

（ネズ←イヌ/No.6）

ぶ　不恰好な恋のかたち


あぁもう。
どうしてこうも不器用なままでしか、

恋、なんて感情は知らなかった。知らないままでいいと思っていたし、知ることもないと思っていた。要は自分とは無関係だと思っていたということで戸惑いは命取りだとわかっていても、なくしてしまうことがどうしてもできない。
「・・・」
名前を呼んだら負ける、と思う。
この気持ちに。
この想いに。
自分は簡単に屈してしまう。そばにいたい、と思ってしまう。彼ばかりを追いかけてしまう。そんなの―・・・そんなものはいらないと思った。恋してるみたいだね、と笑ったあの男のせいでこんなことを自覚してしまう羽目になった。一体どうしてくれるというのだろうか。
遠くで犬の鳴き声が聞こえる。餌、そう、餌の時間。
は、と顔をあげるとあたりが暗くなりかけていることに気付く。自分としたことがどうして気付かなかったのだろう。それもこれもあの男のせいだ。あんな、あんな夢物語を語るから。恋になんてかまけている暇はなくて自分は食いぶちを稼いでいかなければならない。それに―それに、いずれいなくなってしまうだろう男を恋しく思うなんてそんなの不憫すぎる。そもそもあいつはこちらのことを一度も見てないし。―あいつの頭の中には紫苑、紫苑、紫苑、ただそれだけだ。俺のことはせいぜい言葉もわかる犬、それくらいにしか思ってないはずだ。
犬の鳴き声にせかされる様に立ち上がる。
誰にも辿りつかないであろう両の手を握り締めて、どうしてあふれたのかわからないため息をついた。


＊
誰が何と言おうとこれはイヌカシです。ほら、そう思ってみればイヌカシに見えてくるでしょう？
もともとNo.6自体そんなに大きなジャンルじゃない上にほとんどシオネズシオなので自給自足ってみたんです。だってサーチ探してサイト1つ、しかもそのうちの1作品しかないとか。世間はやっぱりシオネズシオなんだなぁと。まぁネズシオも好きだけどね！なんか今それ以上にイヌカシが幸せになってほしいと思ってる。
シオ←ネズ←イヌでいいと思うんだけどどうなんだろう。
・・・うん、反省はしているけど後悔はしてない。

ふりも11巻出たしなーなんか書きたいなぁ。