密室クライ

（芭録）

声を立てずに泣くことは可能なのだろうか。
それはまるでざぁざぁと、ざぁざぁと降る雨のようで、音のない雨はいくらだってあるけど音のない涙は今まで見たこともない。少しだけ柔らかに音を立てて、涙は溢れ出すのだ。

「せーんぱい・・・」
ドアにこつん、と頭をぶつける。応答はない。ただときどき鼻をすするようなそんな音が聞こえるからもしかしたら、もしかしなくても泣いているのかもしれない。センパイが部屋にこもってからもうどれっくらいの時間がたったのだろうか。センパイは帰ってきて何も言わずに一直線にこの家で唯一鍵がある寝室にはいると、大きな音を立ててドアを閉めたっきりうんともすんともいわず、応答はさっきからさっぱりだ。何があったのかももちろんさっぱりで。
まったく・・・と、小さくためいき。
センパイはいつだってこうだ。泣いているところを他人に見せるのはいや、という。そんなこといって卒業式に大泣きしていたセンパイの姿をしっかり見てしまったから信用はできないけど。
センパイはいつだって一人で泣く。声を殺して泣くからときどき気付くことすらできない。恋人失格だって、まぁ思われてもしょうがないか。そんな風に気付かれないように気付かれないように泣いているくせに気付いてくれないと少しだけ機嫌が悪くなる。まったく、もう一回ためいき。
「せーんぱい、聞いてます？そこ一応二人の寝室なんですけど」
聞こえてないはずないのだ。だってドアの向こう側には同じようにドアに寄りかかるセンパイがいるはずなのだから。
こつん、こつん。と。止まらないのはドアにぶつける後頭部のリズム。こつんこつん、こつーんこつーん、こつんこつん。でエスオーエスのモールス信号、なぁんてね。
なんて言ってる場合ではなく。
とりあえず今はこの天岩戸（あまのいわと）の開け方を考えなければいけない。昔に習って宴会をするわけにもいかないし（そもそもセンパイはお酒が好きじゃないし。）だからって食べ物に釣られてくれるほどお子様じゃないだろう。（その辺は妙に頑固というかなんというか、だ。）情に訴えるという作戦もあるけど（だけど今あの人に俺をかまう余裕はないだろう。）それはできれば使いたくないし。（どちらかというと多大なショックを受けるのは自分なのだ。）原因が分かればせめて、それにあった対処法ぐらい思いつくだろうけど今の状態ではセンパイが泣いている、とそれだけの事実でしかない。それだけの事実ではどうにも仕様がないのだ。（いくらあいしてるやすきを並べたってセンパイはきっとこちらを見てくれないから。）
人間どうしようもないときはためいきをつくしかないらしい。はぁ・・・と本日三回目のためいきをつく。どうしてくれるんすか、センパイ。ためいきつくと幸せ逃げるんですよ、今日あんたのせいでどれだけ俺から幸せが逃げたと思ってるんですか、なんて。
冗談でも絶対に言えない。（なぜなら傷つくのは確実に自分だと分かっているからだ。きっとお前の幸せなんてどうでもよさ気、と一刀両断されてしまうだろうから。）
こつん、こつん、と。どうしようもなくたたずむ。ドア一枚隔てた向こうにいるはずのセンパイの気配は妙に希薄だ。ときどき聞こえてくる鼻をすする音になんでか安心してみたり。こつんこつん、と。響き渡るリズムはセンパイの耳にどう響いているのだろうか。
たった数秒のこちらからのエスオーエス。

ホントは知ってる。ドア一枚分とセンパイの重み。素直じゃなくていつだって意地っ張りなセンパイのたった一つのエスオーエスの仕方。
「ったく、もう・・・」
またためいきついちゃったじゃないですか。
こつん、こつん、・・・ごつんっ。
「った・・・？」
勢いあまってドアにしたたかに頭を打ち付けた、かと思ったらそうでもなく。反転した視界の上にセンパイの顔が見えた。目は赤い。すこしだけ、落ち込んでるみたいだ。
「あ、センパイ」
「・・・なぁにやってる気？」
それでも笑ってくれるなら、いいか、と思う。


＊
昔のお話。本に出そうと思ってたんですけどね。

恋して恋して恋をした 9

09　全てを君に

言葉にして伝えるのは難しいし、だからって態度に表せるわけない。テレパシーなんか使えるわけないし、いまさら意地っ張りを直せない。しょせんお子様なんだ、まだ、まだ。

「―・・・」
無言で浜田を見上げた。言葉は紡がなかったんじゃなくて、紡げなかった。浜田を前にすると言葉を見失う。言いたいことと言ってしまったことの差に後悔するのが怖くて、口をつぐんでしまう。浜田は少しだけ悲しそうに笑って俺はどうしようもない気持ちを抱えたまま、目をふせる。
「泉」
どうしてそんなふうに優しく名前を呼ぶんだろう。数え切れないくらい傷つけた人だ。いつだって自分勝手で、浜田のことなんか考えられないのに。それでも泉が好きだよ、なんてどうしていえるんだろう。
ばかみたいだ。
「―・・・」
やっぱり、なにも言えない。傷つけることしかきっと、出来ない。唇をかんで下を向く。なにも言わない俺に、それでも浜田は優しい。まるでこちらの考えなんて見透かしているみたいに俺は泉のだからなんていう。ばかみたいだ、この男は。それに答えられない自分も。

まだ全部あげられないよ、


＊
もっと甘ったるい話になる予定だったのに・・・何を間違ったんだろう。

送り主バトン！

白粉様からバトンを頂きました＊

送り主バトン
送り主→白粉様からリターン！

★バトンの送り主の印象
すらっとした人。

★送り主のあだなは何？
本名にちょをつけたりしてますぜ

★送り主に似合う物
シックな感じの・・・

★送り主を飲み物に例えるなら
サイダー。メロンソーダとか

★送り主を食べ物に例えるなら
甘すぎないケーキ。

★あなたが送り主に言いたい事
見捨てるなんて・・・！私こそいつも見捨てないでくれてありがとうです。

★送り主と腕相撲したら負けそう？
やる事はないとおもいますがやったら負けます。

★送り主のことぶっちゃけ嫌い？
友人曰く彼女と話してるときの私は犬らしいですよ。
しっぽが見えるとか見えないとか。めちゃくちゃ好きです★

★沢山回してください。送り返しもありです。
アンカーでいいですか。

バトンが回りやすい時期があるんだきっと。

本日もたやこさんからバトンが回ってきましたよ。

送り主バトン
たやこからリターン。

★バトンの送り主の印象
おもしろい。なんかふわふわな

★送り主のあだなは何？
たやこ。あ、やんやんか。（←

★送り主に似合う物
なんか柔らかい色のもの。

★送り主を飲み物に例えるなら
さっぱりした感じの。カルピスとか

★送り主を食べ物に例えるなら
綿菓子

★あなたが送り主に言いたい事
お前が私を養ってくれるなら嫁にいってやるよ。
原稿ファイト！

★送り主と腕相撲したら負けそう？
なんか笑えて勝負にならなそうな予感

★送り主のことぶっちゃけ嫌い？
基本手を繋いで歩いてますから（←
いつもいじめてるけど好きだよ、たやこ笑

★沢山回してください。送り返しもありです。
えー・・・とすいません止めます


日→英→日翻訳で意味判らない恋愛を語るバトン
私の名前って原型をとどめないんだな（遠い目

（h）ttp://honyaku.yahoo.co.jp/transtext　の翻訳機能を使ったバトン
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例）「私はバトンの回答をするのが大好きです。」
　→「I love that I do an answer of a baton.」
　→「私は、私が棒の答えをすることを好きです。」
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Ｑ１:最初は、簡単に自己紹介してください。 （まず、簡単に自己紹介をしてください。）
■原文■
華月です。乙女で変態らしいです。
■変換文■
それは、焼結物月です。私は、若い女の子と異常なようです。
■コメント■
名前原形とどめないようです（遠い目）
ていうか若い女の子と異常ってなんだ。アブノーマルってでてきたんだぜ。

Ｑ２:突然大好きな人を教えてください。（いきなりですが、好きな人を教えて下さい。）
■原文■
好きな人はたくさんいますけど！笑
うーん・・・最近は浜田がなんとなく好きですね。（二次元！）
■変換文■
多くの大好きな人々がいます！笑
うーんに関しては...この頃、浜田はどうもよいです。（2つの局面！）
■コメント■
うーんに関してって・・・。

Ｑ３:最高は、人のどこにありますか？ （その人のどこが一番好きですか？）
■原文■
へたれ具合じゃないでしょうか。
基本へたれな男の人って好きなんです。
あと妙に大人っぽかったりするところが好きです。
■変換文■
疲れているようになってください、そして、それは状態でありませんか？
ソースである男は、基本にそれが好きです。
より不思議なことにのような大人である場所は、よいです。
■コメント■
ソースである男・・・！！へたれはいったいなにに変換されてしまったんだ！

Ｑ４:あなたは、人とつきあいたいですか？（その人と付き合いたいと思いますか？）
■原文■
浜田には泉が！
とりあえずふたりがいちゃついてれば幸せです。
■変換文■
春浜田で！
2がまず第一にふざけるならば、私は幸せです
■コメント■
春浜田！なんかかわいいです。

Ｑ５:人は突然あなたの部屋にそれを送って、私が「今日からここに住んでいます」と言いました。どのように、あなたはそれを持ちますか？
（その人が突然あなたの部屋にやってきて、今日からここに住むと言いました。あなたはどうする？）
■原文■
もちろん泉付きですよね？
こっそりひっそり出て行くんでどうかいちゃいちゃしてください。（懇願）
そしてこっそり覗かせてください。
■変換文■
もちろん、あなたは春に属していますか？
私は秘密に静かに現れます、そして、浮気者を線で満足させてください。（嘆願）
そして、秘密に現れてください。
■コメント■
浮気者て！浮気者を満足させちゃうんですか。

Ｑ６:大好きな人は、どうか、よいようである人に、この棒を渡します。
（このバトンを、好きな人がいそうな人に回してください。）
■原文■
では白粉様、飛鳥さん！お時間がありましたらどうぞ★
■変換文■
それから、それはおしろい（アスカ）です！時間があるならば、お願いします★
■コメント■
お二人ともごめんなさい・・・！！

春休みが終わります

とりあえずバトンを答えて現実逃避。

まずはたやこから回ってきたバトンふたつ。

知りたいバトン

名前を教えて下さい(フリガナも付けて)
　華月風知（カヅキフウチ）　カタカナで書くとなんだかなぁ。

名前の由来を教えて下さい
　小さい頃からのあだ名にいろいろしてみた

その名前はいつから使っていますか？
　んー・・・この名前になったのはたぶん、2年くらい前ではないかと

今の名前は何代目ですか？
　2代目といっていいのかな

サイト名(ブログが主の人はブログで)を教えて下さい(フリガナも付けて)
　バクソウコンペイトウ　フリガナのつけようはない。

サイト(ブログ)名の由来は？
　当時の生徒会長のお墨付き。
　（何も知らない生徒会長殿に「このなまえってどう？」って聞いた）

サイト(ブログ)を開設してどのくらい経ちますか？
　ここだけなら二年ちょい（いつのまにか二周年も過ぎて　た！）
　前からあわせると・・・ごねんくらいたったんですかもしかして。

そのサイト(ブログ)名は何代目ですか？
　2代目。最初はもろお菓子の名前だった。

初めて出来たオン友は？
　すいません、記憶が薄れ・・・て・・・る（がたり

いつどこで出会ったのですか？
　たぶん向こうから話かけて来ていただいたのがほとんどです

現在結構メールしているオン友は何人居ますか？
　2、3人。

メル友じゃなくても交流のある人は？
　オフ友とは相当じゃれあってる気がします。

自分が一番仲が良いと思っているオン友は？
　同い年のあの方です。大好きです、もうホント。

相互リンクはしてもらってますか？
　ありがとうございます・・・！！

相互とブクマ、どちらが多いですか？
　ブクマです。（どーん）相互もたくさんしてもらってます・・・！

ちなみにこのバトンを回してくれた人とは相互してますか？
　してますね、ひっそり。笑

このバトンを、成り立ちが知りたい、1～10人の方に回して下さい
(アンカーはなしです。必ず誰かに回して下さい。)
　美作さん、佑様、飛鳥さん、manna様（受験お疲れ様です）
　もしお時間があったらどうぞ！


受け攻めＤＯＣＣＩ？バトン

★1.貴女が好きになるのは受け攻めどちらが多いですか？
受けのち攻め。

★2.攻めで好きなタイプは、鬼畜or優しい？
優しくて鬼畜な攻めが好きなんですが

★3.受けで好きなタイプは、淫乱or純白？
純白で、その二つだったら純白で！

★4.攻めで好きなキャラを３人あげて下さい。
浜田（おお振り）、マサキ（笛！）、み・・・御柳？（ミスフル）

★5.受けで好きなキャラを３人あげて下さい。
録（ミスフル）、泉（おお振り）、翼（笛！）
山崎も捨てがたいんですけどねー・・・。

★6.リバでもOK！だと思うCPを3組あげて下さい。
ごめんなさいリバは苦手なんです。

★7.想いが強いのは受け攻めどちらが理想？
受け！う　け　！
攻めの方がめろめろに見せかけてホントは受けの方が好きで好きで
しょうがないのに意地っ張りゆえ言葉には出せずかわいくないことばかり言って
そのあとで自己嫌悪とかに陥っているといいと思います。（具体的・・・！）

★8.お疲れ様でした、それでは楽しい受け攻め語りが聞けそうな同志を。
我こそは！と思う方拾ってみてください


飛鳥さんから頂いたバトンひとつ。

送り主バトン
送り主→飛鳥さん

★バトンの送り主の印象
かっこいい！

★送り主のあだなは何？
うん、まぁ「飛鳥さん」みたいな感じに呼んでますけど

★送り主に似合う物
彼女、なんでも似合うとおもいますよ。

★送り主を飲み物に例えるなら
コーヒーフロートとか？

★送り主を食べ物に例えるなら
うーん・・・プリンとか

★あなたが送り主に言いたい事
変な子ですいません！見捨てないでくれる飛鳥さんが好きです笑

★送り主と腕相撲したら負けそう？
負けます。絶対負けます。

★送り主のことぶっちゃけ嫌い？
愛してますから（！

★沢山回してください。送り返しもありです。
飛鳥さん（リターン！）
白粉様（許可されたからどんどん回します）
たやこ

恋して恋して恋をした 8

08　好きになりすぎた

そしてまだ君を好きになる、
ずっと。

さらさら、と髪を撫でる。短い、お日様の匂いがするあたたかな黒髪。すやすやと、無防備な寝息は穏やか。どうしてこの子はこんなにもかわいいのだろう、なんて思う。春で頭がやられてしまったのかもしれない、泉なら、そういう。だけどきっとこんな泉バカなのはずっと、ずっと前からで、すごくすごく、―どうしようもないくらい好きになりすぎてしまったんだ。
お日様が優しい光を窓辺に注ぐ。洗濯物入れなきゃ、と思って立ち上がったこちらの服の裾を泉が寝ぼけ眼で掴む。
「―・・・はま、だ」
どこいくの？なんていつもの三割増しあどけない声で聞いてくる。どこもいかないよ、ともう一度頭を撫でると足下、とだけ呟いてまた柔らかな寝息をたて始める。―まったくもう。洗濯物はしばらく取りにいけないかもしれない、というか行きたくない。
こんなあたたかな時間を、自分からは壊せない。

泉が好きで好きで好きで、好きになりすぎたって自覚があるくらい好きでそうしてまだ好きになり続けている。きっと、これからずっと。


＊
寝ぼけた泉はいつもより甘えんぼ。みたいな感じをかきたかったんですよねたぶん。

恋して恋して恋をした 7

（芭録）
07　傲慢なる感情

「―殺しちゃいたいよ、いっそ」
泣きそうな顔で、ミヤが言った。
「センパイがすきすぎて、いっそ殺しちゃいたいよ」
ぴん、と張り詰めた糸みたいな、そんなミヤの顔。情けないなぁ、って笑うと、だって今最高に情けないし。と情けない顔で笑った。泣きそうな、だけど泣かないミヤの泣き笑い。
「好き、ならなんだってしていいって思わないけど、それでも」
センパイを一人のものにしたい、よ。
なんて耳元で情けないままの顔でミヤが囁いた。

ばかだなぁ、その台詞で殺されてしまいそう。


＊
情けない使いすぎだと思われる。どうしても御柳が情けなくなってしまう。
かっこいい御柳を、うん。いつかかけるといいなぁ。